食物アレルギーの交差反応一覧:日本の29品目から引く(2026年)

この一覧は、WE TABLEの管理栄養士が調べてきた内容をもとに、AI(Claude)で論文や診療の手引きなどの一次資料を確かめて公開しています。まだ更新の途中です。ここに書いてあることだけで判断せず、食べる前には必ず主治医と確認してください。間違いや疑問に気づいたら、いつでも教えてください。ご指摘・ご質問は、WE TABLEのお問い合わせからお送りください。

なぜ、この一覧を作ったのか

WE TABLE JOURNEYに、キウイにアレルギーのあるゲストが来たことがあります。そのコースには、バナナの葉で包んで蒸し焼きにする料理がありました。キウイとバナナは交差反応が報告されている組み合わせなので、事前にシェフと相談して、バナナの葉を別のものに替えてもらいました。

あとで調べると、バナナの葉そのものでの反応を確かめた研究は見つかりませんでした。それでも、確かめられないものは避ける。その判断の材料を、いまは一つずつ調べています。それを、誰でも引ける一覧にしておきたいと思いました。

WE TABLE RESEARCH · 交差反応一覧BETA

1アレルギーのある品目を選ぶ

義務の9品目

推奨の20品目

2結果選んだ品目に合わせて切り替わります

→ 選んだ品目のアレルギーがある人が気をつけたいもの ← それが原因で、選んだ品目にも反応することがあるもの ↔ どちら向きにも起こりやすいもの。行を開くと数字・加熱の影響・出典が出ます。

高い同時除去が基本とされる、または高い割合で症状が出る中程度無視できない割合で症状が出る人による人・成分・調理で大きく違う。個別判断

キウイフルーツのアレルギーがある人が、あわせて気をつけたいもの 5件

  • ↔バナナ・ラテックス食べもの以外も含む人による

    ラテックス–フルーツ症候群の代表的な組み合わせ。キウイ・バナナ・モモ・リンゴは、花粉と関係なく微量でアナフィラキシーを起こす病型もある(日本の手引き)。キウイはシラカンバ花粉(PR-10)とも関係する。日本ではキウイ・バナナは推奨表示。

    出典:1234

  • ↔バナナ人による

    ラテックス–フルーツ症候群に含まれる組み合わせ。スイスの症例研究(2002)では、バナナアレルギーの人で、ラテックス・アボカド・キウイにも感作されている人と、ラテックスに感作されていない人がいた。バナナのアレルゲンにはプロフィリン(Mus a 1)、キチナーゼ(Mus a 2)、LTP(Mus a 3)などがあり、原因によって広がり方が違う。日本ではバナナは推奨表示。

    出典:1234

  • →加熱・加工したキウイ(ジャム・焼き菓子等)人による

    数字:欧州の多施設研究(2013、311人):Act d 1(アクチニジン)への感作は重いキウイアレルギーと独立して関係(オッズ比3.98)。アイスランドでは主にAct d 1(32%)。スペインの負荷試験研究(2004):キウイアレルギーの46%が全身症状、花粉症のない人では全員が全身症状。

    加熱・加工:試験管内の研究(2008):加工食品ではAct d 2へのIgE結合は残り、Act d 1は検出されなかった。PR-10(Act d 8)は熱に弱い。加熱で食べられるかは原因タンパク質で違う。

    キウイアレルギーには、花粉関連で口の症状が中心の型と、キウイそのものに感作されて重い症状が出る型がある。日本の手引きも、キウイ・バナナ・もも・りんごで、花粉と関係なく微量でアナフィラキシーを起こす型があるとしている。小児では重い症状が成人より多いと報告されている。日本ではキウイフルーツは推奨表示。

    出典:12345

  • ←ラテックス(天然ゴム)食べもの以外人による

    数字:文献レビュー(2024):ラテックスアレルギーの人で果物にも反応する割合は研究により4〜88%と大きな幅(よく引用されるのは30〜50%)。多かったのはバナナ、アボカド、キウイ、パパイヤ。

    ラテックス–フルーツ症候群。口の症状だけでなくアナフィラキシーの例が多い。パパイヤ、モモ、トマトなども報告がある。ゴム手袋を使う厨房では手袋の素材も確認する。

    出典:12

  • ←シラカンバ・ハンノキ花粉(カバノキ科)食べもの以外人による

    数字:北海道の外来研究(2015):シラカンバ花粉症で口腔アレルギー症候群がある167人の37%がキウイで症状。欧州の多施設研究(2013、キウイアレルギー311人):中・西欧ではAct d 8(PR-10)への感作が58%、東欧で44%。

    加熱・加工:Act d 8(PR-10)は熱に弱い。

    花粉に関係するキウイアレルギーは口の症状が中心。一方、花粉と関係なくキウイそのものに感作される型(Act d 1)では重い症状が出やすい(別項)。福井(シラカンバが飛ばない地域)でもキウイは口の症状の原因として多かった。

    出典:1234

一覧には、起こりやすさが「高い」「中程度」「人による」のものだけを載せています。「低い」「確立していない」ものは、頭に入りにくくなるので省きました(バナナの葉だけは、上の経験から残しています)。数字は研究ごとの対象者の数字で、あなた自身に当てはまる確率ではありません。

交差反応とは

交差反応とは、ある食べものや花粉に対してできたIgE抗体が、形のよく似た別のたんぱく質にも結合して、症状を起こすことです。日本の手引きは、抗体が結合すること(交差抗原性)と、実際に症状が出ること(交差反応性)を分けて考えています。

植物の分類が近いほど、似たたんぱく質を持つことが多くなります。ただし、花粉と果物、ダニとえびのように、分類が遠くても起こります。

摺物。朱塗りの台の上の鉢に桃が盛られ、後ろに花をつけた木と穴のあいた石がある
台に盛った桃と、花をつけた木。果物と花粉のつながりは、交差反応のなかでもよく知られている。 柳々居辰斎「台上の桃」(摺物、19世紀/原題 Peaches on a Table)/メトロポリタン美術館/CC0 出典

「感作」と「アレルギー」は違う

血液検査や皮膚テストが陽性なのは「感作」、つまりIgE抗体があるという意味です。食べて症状が出る「アレルギー」と同じではありません。似たたんぱく質のせいで、症状がないのに陽性になることはよくあります(花粉と果物、甲殻類と軟体類など)。診断の基準は、医療機関で少しずつ食べて確かめる食物経口負荷試験です。

加熱すれば食べられる?

交差反応を起こすたんぱく質には、熱に強いものと弱いものがあります。どちらが原因かで、加熱した料理を食べられるかが変わります。

  • 熱に強い(加熱しても反応しうる):えび・かに・いか・貝のトロポミオシン、魚のパルブアルブミン、ナッツ・ピーナッツ・ももなどのLTPや貯蔵たんぱく質、もも・オレンジとスギ花粉をつなぐGRP。
  • 熱に弱い(加熱・加工すれば食べられることが多い):シラカンバ花粉と、りんご・もも・キウイ・豆乳などをつなぐPR-10やプロフィリン。主に、生で食べたときの口のかゆみです。

どのくらいの割合で起こるのか

起こりやすさは、組み合わせや向き、研究によって大きく違います。下は目安です。

  • えびとかに:えびアレルギーでかにを食べたことがある人の64.7%が、かにでも症状(日本)。
  • 魚どうし:ある魚から別の魚へ約50%(米国の目安)。ただし、魚アレルギーでも約3分の1は、少なくとも1種類の魚を食べられた(北欧)。
  • シラカンバ花粉と果物:花粉症で口の症状がある人の原因は、りんご74%、もも67%、キウイ37%(北海道)。
  • 牛乳とヤギ乳・羊乳:約90%(米国の目安)。ヤギや羊のチーズも避けるのが基本です。

血液検査で陰性なら、交差反応はない?

たとえば、こんな疑問があります。「キウイの血液検査は陽性で、りんごは陰性でした。交差反応はないということですか?」答えは「そうとは限らない」です。

  • 陰性でも、ゼロではない:キウイアレルギーの311人のうち、通常の血液検査で陽性になったのは46%だけ、という研究があります(欧州)。果物の検査液では、壊れやすいたんぱく質が減っていることがあるためです。
  • 陽性だけでも、アレルギーの証明にはならない:似たたんぱく質のせいで、症状がないのに陽性になることがあります。
  • 最後は医師と確かめる:どの成分に反応しているかで意味が変わり、はっきりしないときは、医療機関で少しずつ食べて確かめる負荷試験をします。結果の意味は、アレルギー専門医と一緒に確かめてください。
絹に描かれた仏手柑。指のように分かれた黄色い実が、とげのある枝についている
仏手柑(ぶっしゅかん)。柑橘どうしの交差反応も、人によって大きく違う。 葛飾北斎「仏手柑」(絹本着色、19世紀半ば/原題 Buddha’s Hand Citron)/メトロポリタン美術館/CC0 出典

この一覧の使い方

  • ゲストを迎える料理人・店の人:ゲストのアレルギーの品目を選び、「高い」「中程度」のものは、本人に食べられるかを確かめてください。「人による」のものは、本人がふだん食べているかを聞くのが確実です。
  • アレルギーのある人:自分が反応したことのある組み合わせと見比べて、主治医との相談に使ってください。
  • 料理の包みや飾りにも注意:バナナの葉や朴葉、笹など、食べない素材も料理に触れます。確かめられないものは、本人と相談して替えることもできます。

日本の表示29品目と、海外の表示との違いはアレルギー表示一覧で確かめられます。店で伝えるときは、飲食店でアレルギーを伝える方法も読んでみてください。日本の表示では「推奨」の品目が書かれないこともあります。表示のルールはアレルギー表示の義務はどこまで?、ラベルに出てこないアレルゲンは複合原材料と添加物の表示ルールにまとめています。

このページのデータは cross_chart.json として公開しており、CC BY 4.0(出典表示:WE TABLE)で再利用できます。

よくある質問

交差反応とは何ですか?

ある食べものや花粉に対してできたIgE抗体が、形のよく似た別のたんぱく質にも結合して、症状を起こすことです。植物の分類が近いほど似たたんぱく質を持つことが多いですが、花粉と果物、ダニとえびのように、分類が遠くても起こります。

キウイアレルギーの人は、何に気をつければいいですか?

報告が多いのは、バナナ・アボカドなどラテックスと関係する果物、天然ゴム(ラテックス)、シラカンバ・ハンノキ花粉です。起こりやすさは人やたんぱく質の種類で大きく違うので、一覧で確かめたうえで、主治医と相談してください。

キウイの血液検査は陽性で、りんごは陰性でした。交差反応はないと考えていいですか?

いいえ、陰性は可能性を下げますが、ゼロにはしません。果物の検査液では壊れやすいたんぱく質が減っていることがあり、キウイアレルギーの人でも通常の検査で陽性になるのは半分ほど、という研究もあります。逆に陽性だけでもアレルギーの証明にはなりません。判断はアレルギー専門医と一緒にしてください。

えびアレルギーの人は、かにも食べられませんか?

日本の研究では、えびアレルギーでかにを食べたことがある人の64.7%が、かにでも症状が出ました。米国の目安では、ある甲殻類からほかの甲殻類へ約75%です。同時に避けることが多い組み合わせです。

加熱すれば、交差反応は起きませんか?

原因のたんぱく質によります。花粉と関係するPR-10やプロフィリンは熱に弱く、加熱した果物なら食べられることが多いです。一方、LTP、GRP、トロポミオシン、パルブアルブミン、ナッツの貯蔵たんぱく質は熱に強く、加熱しても反応することがあります。

出典

  1. 「食物アレルギーの診療の手引き2023」検討委員会(厚生労働科学研究班、研究代表者 海老澤元宏)『厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き2023』(2026年4月Web版)
  2. Sicherer SH. Clinical implications of cross-reactive food allergens. J Allergy Clin Immunol(2001)(米国の目安の数字の元になった総説)
  3. Brough HA, et al. Defining challenge-proven coexistent nut and sesame seed allergy. J Allergy Clin Immunol(2020)
  4. えびアレルギーとかに・いかの交差(日本の研究、2006)
  5. キウイアレルギー311人の検査と成分の研究(欧州、2013)
  6. シラカンバ花粉症と豆乳・Gly m 4(北海道、2015)
  7. ピーナッツのみのアレルギーの子の木の実アレルギー(豪州の住民コホート、2019)
  8. Gromek W, et al. Revisiting Latex-Fruit Syndrome after 30 Years of Research. J Clin Med(2024)
  9. 北海道の住民におけるシラカンバ花粉症と口腔アレルギー症候群の有病率(Auris Nasus Larynx、2026)
  10. 魚アレルギーの交差:二重盲検負荷試験(J Allergy Clin Immunol、2017)
  11. 豆類どうしの共感作(Front Allergy、2023)
  12. 魚の種類によるパルブアルブミン量の違い(Int Arch Allergy Immunol、2010)
  13. 魚と鶏肉の交差反応:新しい臨床症候群(Allergy、2016)